10数年前、夜中にスタイルシートを打っていた私へ。やっと動き出したよ。

こぼれ話

今日は、たった一人に宛てて書きます。

10数年前の、私自身です。

もし読んでくださっているあなたの中にも、「まだ準備が足りない」と足踏みしている部分があったら、途中から少しだけ、自分のことのように読んでいただけたら嬉しいです。

夜中に、一行ずつ打っていたあなたへ

あなたは今夜も、仕事から帰って、パソコンの前に座っていますね。

分厚い本を開いて、スタイルシート(ホームページの色や形を整えるための指示書のようなものです)を、一行ずつ手で打っている。誰に頼まれたわけでもないのに。

文字の色がひとつ変わっただけで、嬉しかった。思いどおりの場所に線が引けただけで、夜更かしの疲れが消えた。あの気持ちを、私はいまでも覚えています。

でもあなたは、「これを仕事にしたい」とは、誰にも言いませんでした。

まだ勉強が足りないから。もっとできるようになってから。——それがあなたの口癖でしたね。

あなたが独学していた、本当の理由

先に、種明かしをさせてください。

あなたが教えていたのは、本当はWordやExcelの使い方です。でも、最後にたどり着いた教室では、HTMLやCSS(ホームページの文字や色、配置を指示する言葉です)を学ぶ生徒さんもたくさんいらした。

担当の先生が忙しそうで、質問したいのに手を挙げられずにいる方が、何人もいたのですよね。
あなたは、それを放っておけませんでした。
だから横に座って、テキストを一緒に見ながら、できるだけ答えていた。

答えられる自分でいたくて、独学でやるしかありませんでした。
「明日はこう聞かれるかもしれない」と思いながら、夜中に一行ずつ、コードやスタイルシートを打つようになったのです。

このあと、あなたはたくさんの生徒さんに出会います。
会社の有給休暇を取ってまで、あなたの授業に通ってくださる方。
「どうして私が詰まっているとわかるのですか?」と、嬉しそうに聞いてくださる方。

種明かしをもう一つ。それは特別な才能ではありませんでした。
独学の最中に、前もって自分が先に困っておいたから。
自分がつまずいた場所を「ここはこうすれば大丈夫ですよ」と伝えたかっただけです。

あなたの、あの心配性が。
困っている人を放っておけなくて、こっそり備えてしまうその気持ちが。
そのまま、人の役に立つ力になっていきます。これは伝えておきたかった。

苦しい時期も来ます。でも大丈夫

正直に書くと、いいことばかりではありません。

勤め先が苦しくなって、「ここから離れたい。でも生活があるから動けない」と、出口の見えない気持ちで通う時期が来ます。

でも安心してください。そういうとき、思いがけない人が声をかけてくれます。
あなたが誠実にやってきたことを、ちゃんと見ていてくれた人です。
道は、自分の力だけで切り開くものではないみたいですよ。

言いたかったのは、ひとつだけ

さて、本題です。10数年後の私から、あなたにひとつだけ。

準備に、時間をかけすぎ。

あなたはこの先もずっと、「もっと整えてから」「もっとできるようになってから」と言い続けます。その準備が無駄だったとは言いません。むしろ、いま使っている力のほとんどは、あなたが積み重ねてくれたものです。

でも、ようやくわかったことがあります。
準備は、何割やっても「足りない気持ち」のほうは減らないのです。
減らす方法はひとつだけで、それは外に出してみること。
出してみると、案外「わかりやすいよ、ありがとう」と言ってもらえたりします。あなたはそのたびに、びっくりするのですけれど。

だから、報告です。

私はいま、山と海のある静かな町に住んでいます。朝7時半に机に向かって、ホームページやパソコンの「困った」を解決する仕事を、やっと本腰を入れて始めました。
10数年、かかりました。でも、動き出しましたよ。

あなたが夜中に打っていた一行は、ここにつながっています。

最後に、読んでくださったあなたへ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

もしあなたにも、「まだ準備が足りない」と机の中にしまっているものがあったら。
それはもう、外に出しても大丈夫なものかもしれません。少なくとも私は、10年ぶんくらい、しまいすぎました。

そして、パソコンやホームページのことで「どこで詰まっているのか、自分でもわからない」という方へ。
詰まっている場所を見つけるところから一緒にやるのが、私のいちばん得意なことです。このブログのお問い合わせから、いつでもお声がけください。

お読みいただきありがとうございました。

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