永井路子さんの歴史小説がとても好きです。
丹念に資料を読み込み、現地を実際に見に行き、
そこから立ち上がるいわゆる「歴史上の人物」は、先生のどの作品のなかでもとても魅力的に輝いています。
目の前に、彼らが鮮明に浮かび上がってくるんですよね、先生の小説は。
登場人物たちが語る小説内のセリフは、
もちろん永井路子先生が想像で書かれたものですが、
きっと、そうしゃべったに違いない!と思わせる、説得力があります。
だからこそ、初めて手に取った日から何十年たっていようと、物語に没入できるのだな、と感じます。
2022年大河ドラマが「鎌倉殿の13人」だと聞いたとき、
まっさきに浮かんだのが「炎環」と「北条政子」だったのですが、
読み返していると、あと1冊オススメがあったので今回はその本のご紹介です。
この本は、アマゾンでももう高くなっていますね。図書館にならあるかもしれないですね。
源頼朝と東国武士団の関係と、外圧ではなく彼らの内側から湧き上がる力によって
引き起こされた時代の変革の様子が、わかります。
これは小説ではなく、
あとがきの記述を参照させていただくと
「歴史上の個人について書いた史伝」です。
人物相関図や、系譜なども差し込まれていて、
たくさんの登場人物のことをゆっくりゆっくり理解していくことができます。
やっと鎌倉時代のことが少しわかった!と思えて、この時代のことを知るのが楽しくなれた、そんな本です。
初めて読んでから何十年もたって、
みなさんにお伝えできる機会ができたのが、うれしいです。
大河の予習にぜひどうぞ!